amareloのブログ(仮)

IT系勉強会で感じた想いや知見をメインに書いていきます。

#ssmjp 2019/11 まとめ

11/11に #ssmjp に参加してきました。 今回はガチの運用会で、波田野さんと沢渡さんが登壇されることもあり、絶対に参加したくoutput枠で申し込みましたので、感想と概要をブログにも書きます。

イベントページ

ssmjp.connpass.com

※運用ちゃんもいました!

登壇の概要と所見

1.ちゃんほさん 「クラウド時代の運用設計」
資料

www.slideshare.net

概要
  • 運用とは、システムサービスのあるべき姿を維持していくこと。

    • 維持する活動は、モニタリング、オペレーション、リアクティブ、プロアクティブ
    • 維持する活動を維持するためのツールや手順を設計することが、方式設計
    • 維持する活動を実施するための業務内容を設計するのが、業務設計
  • 運用設計も可制御性と可観測性が大事。何のために監視して何を正しくコントロールするのか考える必要がある。

    • 可制御性:入力が出力に影響を与えること
    • 可観測性:出力から内部が推測できる状態
  • 業務設計を意識した方式設計をして業務の網羅性を担保すること。とりあえずツールを入れる、とりあえず監視、とりあえず手順書作成はダメ!

  • クラウド時代の運用設計でもやることは特に変わらないけど、どちらかというと業務設計の方が大事。
所見

ssmjp に登壇するきっかけはDevelopers.IO TOKYO 2018の懇親会だったとのこと。運用設計のことで盛り上がって、今回の登壇の縁に繋がるなんて素敵すぎる! まずは、Mentimeterで運用設計に悩んでいるか、アンケート。ほとんどの人が運用設計に悩んでいるという回答に、何だか一安心。 ちなみに、スライドもMentimeterで共有。画面共有機能があることを初めて知って、早速勉強になりました! 「可制御性」と「可観測性」という言葉は初めて知りました。運用結果からプロセスを推測できれば、運用改善や業務引継ぎに関わる人が助かるかもしれません。 運用業務に限らず注意すべき観点だと思いました。

2.波田野裕一さん 「運用エンジニアにとって大事な視点」
資料

speakerdeck.com

概要
  • 運用業務のあるべき姿(人が理解しやすく、システムが取り扱いやすく、論理的に正しいことを検証している状態)を実現できる能力が「運用能力」
  • 運用能力に必要なものは、論理能力、抽象化能力、具体化能力の3つ。それらは業界内共通の能力
  • 暗黙的な能力として、ITを扱う上で当たり前のことを泥臭く続けられる能力も必要だが、転職や異動をしたらゼロになる、思考とふるまいに影響するなど、組織を崩壊させる恐れがある。
  • 運用業務の本質は、事業継続性の実現。
  • 理想への橋渡しのために、各現場に最適なフレームを作る。それが運用設計。

  • アウトカム(結果・成果)を考えてアウトプットする必要がある。そのために大事な視点は、活動(思考)と運用現場の理想(実現)。

  • 運用現場が実現すべきアウトカムは、運用の最適化。マネージャーとシフト要員だけでは変えられないので、運用設計できる人が必要。
所見

自分はこれまでアウトプットしてきたものの、仕事に直結した結果は出せた実感がないことにもどかしさを感じていたところでした。アウトプットの結果、何を実現したいか・すべきか考えながらインプット・アウトプットしないと自己満足になってしまうのでは、と思いました。体現は難しいかもですが、少しでもできるようになったら、自分のアウトプットのレベルが上がりそうな気がします。「自分のアウトカムは何か」を念頭に活動していきたいです。

3.沢渡あまねさん 「ライフサイクルマネジメント」
資料

docs.google.com

概要

※今回のお話は、沢渡さんの著書「業務デザインの発想法」1,2章が基となっていました。

  • 業務の「おはよう」(新規)から「おやすみ」(廃止)までをデザインしよう。
  • 5つのライフイベント(新規、利用、変更、停止、廃止)があり、各イベントごとに利用シーンやトリガを想定して実施することを考える。
  • 行動したくなるよう促す工夫を考え、行動阻害要因(ハードル)をなくすために、行動設計も検討する必要がある(スーパーマリオが良い例)。
  • 運用業務の価値は相手が決めるもの。仕事の価値も見えず説明できない仕事は悪気なく軽んじられる。
  • 業務もシステムも設計できる人は強く価値がある。ライフサイクルマネジメントを実践して、人と組織の継続的成長を促し、運用のブランド価値を上げよう。
所見

登壇の最後に、沢渡さんが「システムを運用しているのではなく、俺たちは「世界」を運用している!」と力強く発言した姿がとても印象的でした。いつも発する言葉の一つ一つに力強さを感じますが、ガチ運用の話とあってか、一層の力強さを感じました。ただ決められたことだけやるのではなく、関係者の領域にも一歩踏み込み視野を広げ、よりよい世界にできないか考えながら仕事に取組む必要があると思いました。相互理解が生まれる環境は健全だと思いますので、対立しないよう気を付けて関係者全員でよい仕組みよい業務よい世界を作りたいと思いました。

最後に

業務を適切に設計できる人は業務の最適化にも貢献でき、組織に必要な人材だと改めて思いました。しかしながら、それを理解している人はまだまだ少ないと思います。業務を設計した先において実現したことと自分たちの想いを周囲に伝え、理解者も増やしていく必要があると思いました。また、目先の仕事や利益にとらわれすぎず、その仕事の目的は何なのか、どんな価値を生むのか、一度立ち止まって振り返り、不足しているものを改善するよう社内外問わず発信していく必要があるのではないかと思いました。

内容が濃く、参加して本当に良かったです!

togetter

togetter.com

さて、来月はLT大会。LT申し込むのを忘れてた(涙)登壇したくてももう遅いので、来月は参加者として出席します!