amareloのブログ(仮)

IT系勉強会で感じた想いや知見をメインに書いていきます。

第20回redmine.tokyo勉強会 参加レポート

5/22(土)第20回redmine.tokyo勉強会に参加しました。

自分の中でも5月の恒例勉強会となっているredmine.tokyo。今回も楽しみにしていました!! 本編の内容について、まとめを書いていきます。

目次

イベントページ

redmine-tokyo.connpass.com

YouTubeチャンネル

セッション内容はこちらでご覧になれます。

www.youtube.com

Togetter

togetter.com

セッション

講演: 【2021年最新】Redmine 4.2 新機能評価ガイド @g_maedaさん

Redmine4.2概要

  • 二要素認証できるようになった。
  • グループがウォッチャーになれる。
  • Redmine4系の最終。次は5.0の予定。
  • 3.4以前には未修正のセキュリティ脆弱性(CVE--2021-31863)があるため、今のうちに4.2に移行した方が良い。

Redmine4.2新機能の一部

  • 認証

  • 活動画面

    • 日付指定ができるようになった。
    • ユーザフィルタができるようになった。
  • トラッカー

    • トラッカーのコピーをできるようになった。
    • カスタムフィールドを多用している人には便利。
  • 添付ファイル

    • チケット・Wikiページの添付ファイルの一括ダウンロードできるようになった。
    • ファイル形式カスタムフィールドにたいするドラッグアンドドロップができるようになった。
  • メール通知

    • 優先度が高いチケットの更新を通知するオプション
      • 通知メールの量を抑えるのに役立つ。
  • フォーラム

    • フォーラムのウォッチャー管理
      • フォーラムのメッセージに対して他のユーザをウォッチャーとして追加できるようになった。
  • インポート

    • ユーザアカウントのCSVインポートができるようになった。
    • CSVインポート時のフィールドの対応関係を自動設定できるようになった。
  • チケット

    • グループをウォッチャーとして追加できるようになった。
    • 関連チケットを一括追加できるようになった。
      • コンマ区切りで複数指定できるようになった。
    • 右クリックメニューからの子チケット追加をできるようになった。
    • チケット画面に完了、未完了のバッチが付くようになった。
    • チケットがクローズできない場合の理由を表示するようになった。
  • ロールと権限

    • 権限レポートのCSVエクスポートができるようなった。
    • 一般ユーザにプロジェクト削除を許可できるようになった。
  • プロジェクト

    • プロジェクト一覧のデフォルト表示形式設定を変更できるようになった(ボード or リスト)。
  • テキスト書式

    • Wikiツールバーのテーブル挿入ボタンが追加された。
    • Wikiツールバーのコードハイライトボタンをカスタマイズできるようになった。
    • テーブルのカラムを動的にソートできるようになった。
  • 作業時間

    • 作業時間の詳細のグループ条件に「チケット」を追加。
  • ユーザーインターフェース

    • チケット編集画面で「自分に割り当て」できるようになった。
    • Ctrl+Enterによるフォーム送信。
    • 編集・プレビュータブを切り替えるショートカットキー
    • 太字・斜体・下線のためのショートカットキーが追加された。
    • Wikiページのリンク挿入時のオートコンプリート。
    • チケットコメントのURLのコピー。
      • チャットやメールでリンクを伝えるときに便利。

パネルディスカッション1: Backlog x Redmine対談 #2

パネラー:@tamagawaconanさん

パネラー:@Madowindaheadさん

モデレータ:@ryouma_nagareさん

プロジェクトマネジメントは偉い人だけのものじゃない

  • 今までは、偉い人がプロジェクトを進める能力もリソース、完成イメージを持っていた。

    • 今は先行きが分からない、偉い人でも正解を持っていない。
      • 情報は武器だけど、今は情報を持っていても正解とは限らない。
      • 見るべき情報も多くなっていて、答えを出しづらくなっている。一人の人がすべてを把握するのは無理。
  • 得意分野は人それぞれ。それを組み合わせていかないと、良い仕組みを作れない。

    • だからこそ、まずはセルフマネジメントが重要。
    • 自分の能力をどう生かしていくか、得意不得意は何かを把握する。
      • 自分に向き合う。できることだけでなく、できなかった事実にも。それが武器になっていく。そこからスタートしていくことがマネジメントの第一歩。
      • 不得意なことを無理に得意になろうとすると、得意なことにも悪影響を及ぼす恐れがある。取り繕おうとしなくても良い。
  • フラットな組織のマネジメントスタイル

    • データを使って意思決定ができるように。
  • ヌーラボのマネジメントでまだハマってないなぁって思うことは?

    • ふわっとしたところはいきなりBacklogの課題に入れずに、チャットで議論する。
    • Cacooを使って図式化したり、オンライン会議もする。ケースバイケースでツールを使っている。
  • マネージャー作りの観点

    • 中途の人で自分の意思を持って動ける人をどう生かしていくか。自然とそういう流れになっている。
    • 様々な地域や部署があるところだと、どうマネージャー作りを進めて良いかは一概に言えない。
  • チケットでのコミュニケーションをすることはある?

    • チャットでコミュニケーションを取る。Backlogでスター連打や感謝の言葉を伝えたりを良くやっている。
    • 時間かかる施策についてはチケットに書いて、ふりかえりをする。ベースラインを上げる方法としてRedmineを使っている。
    • 前のマネージャーがどうやっていたかを、チケットを見てあたりをつけることはある。
  • チームになると書けなくなる問題

    • チームになると書けないのは、1人の時でも書けないのでは?
    • 書く練習として、未来の自分のために書く。

プロジェクトの民主化に必要なこととは?

  • 情報をオープンに、文章を書くなどテクニックもあるが、人間関係を円滑にすること。伝え方を気をつける。人間関係を柔らかくする。
  • 自分を鍛えたり弱点を理解してどう表現するか?不十分な部分をさらけ出したうえで自分を鍛える。悩み続けるしかない。そうしていれば、仲間は勝手に増えていく。

LT:メールとExcelによるタスク管理にRedmine導入の途中経過報告 @kawamasatoさん

  • 現状の課題

    • タスク管理
      • 自分が返信していないスレッドをさがして対応。見落としが発生。
    • ナレッジ管理
      • テキストファイルやWordでメモがある。
      • フォルダ構成が適当で類似フォルダが多数。
      • 手順書がメンテされていない。
  • そうだ!Redmineにしよう!

    • コストは構築作業だけ。
    • WindowsはBitnamiでらくらく構築
  • Redmine導入後

    • タスク管理
      • 一人Redmine
      • 関連者には見れるようにしておく。
      • 案件発生の経緯から分かるように記録。
      • 作業記録は画像を多目でわかりやすくする。
  • ナレッジの蓄積

    • 経過を含めて記録する。
    • 説明を求められたときもすぐに提示できる。
    • 類似案件にもすぐ対応できる。
  • Redmineのここが凄い!

    • ボトムアップで導入可能。
    • データも自分たちのもの。
    • サービス停止がない。
    • 画像付きで手軽に記録を残せる。

LT: テキスト化した「チケット駆動開発がまわりはじめるまでの取り組み」の紹介 @zinrai さん

資料

speakerdeck.com

概要

  • チケット駆動開発についてAdvent Calender 2020でかいたが、書き終わらなかった。
  • 2021年もAdvent Calenderで書こうと思っている。少しでも続きを書きたい。

LT: Redmine使ってみた5年間12万チケットを5分で振り返る @nekosanzu1さん

資料

www.slideshare.net

内容

  • 導入から5年

    • チケット文化のはじめの一歩は越えた。
    • チケット便利、Redmine好きという言葉が出てきた。ファンが増えた。
  • 1年目:課題管理の崩壊を食い止めろ。

    • 複数の課題報告の取りまとめ。毎週徹夜の進捗報告準備だったのを、Redmineで課題管理することに。
    • タスク管理で組織の課題解決とマルチプロジェクトで見せることで可能性を見せた。
  • 2年目:トライアンドエラーでとにかくファンを増やせ!

    • 自分と関係ない部門を巻き込め!
      • 何かを「管理」している部署に導入した。
  • 3年目:利用の幅を広げろ!

    • 申請業務を統合。管理表認識の脱却。
  • 4年目:Redmineの限界を超えろ!

  • 2019年のredmine.tokyoで話したので、そちらを参照。

  • 5年目:情報を活用しろ!

    • 魅せろ!データ分析!
  • チケット文化が生まれた後の話

    • タスクの抽象化が進みタスク認識が生まれやすいが忘れにくい。
      • クローズできないチケットが増えて、イヤになることもある。
      • チケットハウスキーピングは必要。
  • Redmineはタスク管理ツール/プロジェクト管理ツールではなく、業務改善ツール。

LT: Redmine issue assign notice plugin の紹介 @onozatyさん

  • Redmine issue assign notice plugin
    • チケット担当者が変わった時に通知するプラグイン
    • 変更前変更後の担当者が分かるようになっている。
    • メンションを変更後の担当者に飛ばせるようになっている。
      • 動作確認済のサービス:Slack、Teams、Google Chat、Rocket.Chat
    • チケット担当者を切り替えながら進めていくようなプロジェクトではとても有用なプラグイン

LT: 時系列データをグラフ化する、redmine numericfield chart macroの紹介 @matobaa さん

  • カスタムフィールドの値を時系列グラフにするWikiマクロ。
  • きっかけは、課員全員の体温を記録するための方法を知りたいというツイートから。
  • Redmine.JPで紹介してもらえた!
  • チケットのコメント欄にも書ける。

  • 時系列データの使用例

    • 体温推移
    • 勉強会参加人数の推移
    • ニコニコカレンダー
    • レーニングの推移
    • 残数表示

講演: 新型コロナウイルス感染者情報管理 by Redmine @skysさん

資料

speakerdeck.com

概要

  • 感染者情報管理サイトを作成した経緯

  • サイトの紹介

    • プラグインをカスタマイズしたり、独自プラグインを使っている。
    • 以下を参照可能
      • 都道府県一覧(プロジェクト一覧)
      • 感染者一覧
      • カレンダー表示
      • 感染者情報(チケット)
  • 情報取得と更新

    • Python で情報取得してpandas(ローカル)で差分確認。その後Redmineの更新を行う。
  • 課題

    • 一部が手動対応のまま。
    • サマリ表示の崩れ、表示速度、モバイル最適化。
    • 暫定的にJavaScriptで書いている箇所が多い。
  • 展望

    • 対応都道府県の追加
      • サーバー増強と更新できる人の追加必要。
    • グラフの追加

パネルディスカッション2:「Excel中毒者への特効解毒剤Redmine

話し手:@ta_ke_chan_

聞き手:@akipiiさん

今の現場でどんな問題があったか?

  • 工場の管理がExcelベース
    • Excel管理大好きな人が多い。
    • WebUIはよくわからず使ってもらえない。
  • 基幹システムから落ちてくるデータが作業計画の基本
    • Excelを途中で介在させて、UI・連携ツールとして動かす。

ExcelおじさんにRedmineを使ってもらうための工夫

  • Redmine入力ツールをExcelで作成。
    • UIをExcelにすることでExcelおじさんも入力する。
    • 基幹システムからデータをCSVで持ってこれる。
    • データはRedmineに集約されるので、多重管理にならない。

プロジェクト管理の場面ではRedmineをどのように使っていた?

  • ガントチャート・かんばん・工数管理の機能を利用した。

    • RedmineのLycheeプラグイン(有償)を利用中。
    • もとは同じチケット。チケットの表現を変えているだけ。
  • ツールによる効果

    • ガントチャート効果
      • タスクを積み上げてWBS作成手法を取るようになった。
      • チケットで並べると
  • チームやメンバにどんな変化があったか?

    • 見える化効果

      • リーダーがメンバの管理監視のために使わないことを明言し、メンバーの心理的安全性を担保してから開始。
      • メンバのたすくや進捗率が他のメンバに見えることで、アドバイスやヘルプなどのコミュニケーションが盛んになった。
    • 若手中堅メンバーの活動

      • 中堅メンバや若手メンバが率先してツールの使いこなしをして、ベテランに指導することで双方向のコミュニケーションが盛んになった。
      • 全体的にチーム力が上がった。
    • データ蓄積効果

      • 決まったフォーマットでデータが蓄積されることで、過去プロジェクトの状況をふりかえり、分析することが可能になった。

LT: Redmine地理空間情報を扱う、Redmine GTT (Geo-Task-Tracker) plugin の紹介 @geosanak さん

  • 汎用のタスク管理システムとしてRedmine地理空間情報を使えないか?
    • GTT(Geo Task Tracker)プラグインを開発。
      • 背景位置情報を埋め込むことが可能
      • プロジェクトごとに区域をあらわすポリゴンを設定可能。
      • 設定したプロジェクトの区域をプロジェクト概要に表示。
      • チケット作成時に位置情報付与。

LT: Redmineの通知メールを暗号化しなければいけなくなった話 @mattani さん

  • エンドユーザに提供しているサービスのインシデント管理をRedmineで管理している。
  • エンドユーザの情報管理上チケットに書けない情報を書けるようになれば効率化になる。
    • チケット通知本文に載ってしまう。
      • メール通知はやめられない。
      • SMTPS/STARTTLSは相手の環境に依存する。
      • エンド-エンド暗号化(S/MIMEPGP)を検討
        • PGP/MIMEプラグインの本家は更新されていなかったが、folk先は更新されていたのでPGP/MIMEプラグインを試してみた。
          • システム管理者がサーバで鍵ペアを作成する。
          • 全ユーザーに個人用鍵ペアを作ってもらい、Redmineに登録してもらう。
            • メールクライアントはOutlookとThunderbird78でPGPサポートされている。

LT: Power Automate Desktop(PAD)をRedmineから実行してみた @hiroiwsk6さん

  • 今回やりたかったこと

    • チケットからPADを呼び出したい。
    • チケットIDを引き渡して、実行結果を引き渡したチケットIDに返したい。
  • 苦労した点

    • PADをリモート実行するのが大変。
    • LinuxからWindows10のOSの差。
  • 今後の活用

    • 監視ツールからのアラートを受けて、RPAにシナリオ録画してRPAに実行させることはできないか?

LT: 見積もりスキル養成ギプスとしての Redmine @akabekobekoさん

資料

speakerdeck.com

内容

  • 見積は難しい。

    • 不確定要素が多く期限だけが決まっている。
      • 見積スキルを上げるにはどうすればよいか?
  • 予定工数と作業時間

    • これらを活用するだけで、見積もり筋がつく!
      • 予定工数をチケット作成時に入れる。
      • 作業時間を入力して実態を把握する。
  • 予定工数と作業時間の一致と乖離を体感を繰り返す。

    • 実態から見積達成の阻害要因を把握し、解決方法を考える。
      • 負荷を適切に保つこと。
  • 適切な負荷

    • 粒度が大きい=予定工数が長すぎる。
    • 工数が長すぎ=作業時間の記録が雑になりやすい。
    • 反復が難しい=スキル反映の機会が減る。
      • 予定工数の上限を決める。
      • 1週間以上の長期チケットは放置されがち。
  • 目の前のプロジェクトで実施すること。すでにある程度の見積もりを経たチケットがあれば、格好の材料。

  • 環境を作れなかったら、個人プロジェクトなどを作って自主練する。
    • 環境が作れない場合はテキスト上で実施する。

感想・最後に

今回は、タスク管理・プロジェクト管理に限らず、多様な事例を聞くことができて今まで以上に勉強になりました。 Redmineの拡張性の広さ、可能性の広さを感じることができました。 自分の所属部署では、プロジェクト管理ツールを使わずExcel管理が主流の職場ですが、 タスク管理・プロジェクト管理に限らず、Excelで管理していることはRedmineでも管理できそうだと思いました。 これまでExcel管理を良しとしていた職場なので、パネルディスカッション2でも話が上がったように、 ユーザにRedmineを意識させないようにすること、これは本当に大事だなぁと思いました。

Redmineを使って、プロジェクト管理に限らず、職場の課題管理や慣れた不便を解決したり緩和することはできないか、思考を巡らせたくなりました。 結果的にRedmineの導入ではないとしても、実現できたことがあったら登壇、グループディスカッション、懇親会で情報共有して、少しでもコミュニティに貢献したいと思いました。

毎回、様々な気づきを得ることができて、運営の皆様には本当に感謝です!今回もありがとうございました!!